内容説明
私は1989年から1998年まで、野口先生の晩年の「新宿火曜教室」に通っていました。当時仲間と劇団を創って活動していて「舞台表現に役立つかな? 」くらいの軽い気持ちで通いはじめましたが、野口体操そのものが面白くなって、今や人生の半分以上をこのユニークな体操と共に生きていることになります。現在私は羽鳥操さんからバトンを継いで大学で野口体操を教えつつ、学校教育・障害者福祉・子育て支援・社会包摂などに関わる現場で、"体奏(たいそう)"のワークショップを行っています。"体奏"とは野口体操をベースとして私が展開している非言語の身体表現とコミュニケーションを互いに味わい楽しむ活動です。多様な価値観や生き方の共生が求められる今、その一方では分断と不寛容がじわじわと広がりをみせているように感じます。
もう少し世の中ほぐれないものか? どんな人も生きやすくなるといいなぁ…。そう野口体操にヒントがある! と私は思います。
野口体操と"体奏"を通して、乳幼児から高齢者までを対象にした現場で私が感じた「からだからの可能性」をご紹介しながら、からだを楽しく動かして、最後はみなさんと野口体操の"これから"を自由に語り合ってみたいと思います。(講師記)
講師プロフィール
新井英夫
1966年埼玉県生まれ、東京在住。
國學院大学文学部卒。
劇団活動を経て、独学でコンテンポラリーダンサーとして国内外で活動。
併行して幅広い対象に向けた「からだを奏でるワークショップ~ほぐす・つながる・つくる~」のファシリテーターを日本各地で務める。
一般財団法人 地域創造・公共ホール現代ダンス活性化支援事業登録アーティスト。
国立音楽大学・立教大学非常勤講師。
↓和紙の動き、自然の動きのイメージとして。
↓”体奏” 和紙のように手を繋いで波を送り合う。
↓”体奏”ガイコツダンス。ほぐして、つながって、即興の動きとかたちを楽しむ。
↓”体奏” 輪の真ん中で自由にステップする人、それに合わせて拍子を奏でる人たち。動きと音による即興対話。
↓“体奏” 手のひらダンス。
↓最後はグループに分かれて、あれこれ自由に野口体操のこれからについて語り合う。
撮影:佐治嘉隆