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月には砂はあっても土はないという。月の沙漠は、砂嵐さえおこらない静寂の世界だ。それに引き変え、大気に守られ。生命が宿る水惑星地球では、空を覆う砂塵が舞い、鉄を含むサハラの砂が混じる赤い雨がパリの街に降る。
一握りほどの庭土をシャベルで起こす。繰り返し水で洗う。鉱物のかけらが陽射しに輝くが、完全に有機物を洗い流すことはできない。地球の砂には、どこか生命の痕跡が残されている。
風・雨・氷・光・熱は山を崩し、川の流れは陸を削る。侵食は進んで、河は渓谷を産み、風は風化した岩石の破片を砂塵となす。波は磯を荒い、運ばれた砂を細かく打ち砕き、更に海洋へと運び去る。堆積岩層が海底に生まれ、あるものは移動するプレートへ滑り込む。生命の時空を超えた循環が、水を介して岩石をマグマに戻し、また地上に吹き上げ山を造る。砂は、水・岩石の循環の境界線を越えて、さらさらと流れ続ける。
ある人はアフリカの夜空の星をみたといい、ある人はバリの浜辺で海の子守歌をきいたという。そう語りながら、野口三千三に預けられた世界の砂の数々。砂漠の砂に生命の名残り、海砂は貝や珊瑚の万華鏡、ガーネットが散りばめられた南極の砂…。
砂は地球の細胞だ。命なき細胞は、ある時、命ある生命体に変化していったに違いない。自然は常に変化流動してやまない。
ダイナミックな乱流の渦の中で、地球は生きている。
「砂に潜む生命の囁きを貞くのだ」と、野口三千三は静かに語る。
羽鳥操